こんにちは、FXおやじです。
先日、「日銀が利上げ」というニュースが流れましたね。それを見たあなたは、もしかするとこう思ったんじゃないでしょうか。
「利上げって、円が強くなる=円高になるんじゃないの? なのにドル円は160円台…これって円安だよね? どっちなの?」
うんうん、その感覚、すごく真っ当です。実はこれ、教科書どおりに考えると「あれ?」となる”ねじれ”が起きているんですよ。でも安心してください。ちゃんと理由があります。今日はそこを、難しい言葉をかみ砕いて一緒に見ていきましょう。元・失敗トレーダーのおやじが、できるだけやさしく解説します。
まず事実:日銀が金利を「1.00%」に引き上げた
2026年6月15〜16日の金融政策決定会合で、日銀は政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げました(引き上げ幅は0.25%)。日銀が利上げに動くのは、2025年12月以来のことです。
※金利の水準や日付は執筆時点(2026年6月中旬)のものです。最新は日本銀行の公式発表でご確認ください。
ここまではニュースのとおり。問題はこの先、「じゃあ何で円安なの?」というところです。
教科書では「利上げ=その国のお金が買われる(円高)」のはず
まず基本の”き”から。
金利が高い通貨は、持っているだけで受け取れる利息が増えます。だから世界のお金は「金利が高いほうへ」流れやすい。これは銀行預金をイメージすると分かりやすいです。金利0.1%の銀行より、金利1%の銀行に預けたいですよね? それと同じで、利上げした国の通貨は買われやすくなる=普通は通貨高(円なら円高)になりやすい、というのが教科書の話です。
なのに、今は逆に円安。ここが今日のテーマの”ねじれ”です。
なぜ今は円安なの? 理由は大きく3つ
おやじが思うに、ポイントは次の3つです。
① 利上げは「織り込み済み」だった
為替市場は、未来を先回りして動きます。「日銀は近いうちに利上げしそうだ」とみんなが前から予想していると、実際に発表があったときには”もう知ってたよ”という状態。サプライズが小さいので、大きく円高に動かないんですね。「噂で買って事実で売る」なんて言い方もします。
② 日本とアメリカの「金利差」が、まだ大きい
日本が1.00%に上げても、アメリカの金利はもっと高い水準です。しかも直近では、アメリカの中央銀行(FRB)が金利を据え置きつつも”まだ引き締めに前向き”な姿勢を見せ、ドルが買われる場面もありました。日本が少し上げたくらいでは、この差は簡単には縮まりません。差が大きいうちは、お金は金利の高いドルへ向かいやすいんです。
おまけに、日本は今モノの値段(物価)も上がっています。金利1%でも物価の上がり方のほうが大きいと、”実質的な金利”はまだ低い状態。これも円が買われにくい一因です。
③ 中東情勢 → 原油高 → 円が売られる
もう一つが、海の向こうの出来事です。中東で緊張が高まると、原油(石油)の価格が上がりやすい。日本は石油を海外から買っている国で、その支払いはドルで行います。原油が上がると「ドルをたくさん用意しないと」となり、円を売ってドルを買う動き(実需の円売り)が出ます。さらに、世界が不安なときは”安全とされるドル”が買われやすい、という面もあります。
日米の金利差(2026年6月時点)
金利差は 約2.5〜2.75%。お金は金利の高いドルへ向かいやすい
※いずれも政策金利。2026年6月時点。最新は日本銀行・FRBの公式発表でご確認ください。
「ドル円160円」って、なんでそんなに話題なの?
ここで「160円」という数字の意味にも触れておきます。
160円というのは、政府・日銀が「これ以上の円安は行き過ぎ」と意識してきた節目のラインです。実際、2026年の春先(4月末〜5月)には、円安が進んだ局面で政府・日銀が大規模な「円買い介入」を行いました。
円買い介入というのは、政府側が市場で円を買ってドルを売り、行き過ぎた円安にブレーキをかける操作のこと。ただ、ここは正直にお伝えします。介入は万能ではありません。効果が一時的なこともありますし、根っこにある金利差や原油の事情が変わらなければ、また円安方向に戻ることもあります。
だから今、160円の近くでは「また介入があるかも」という警戒感が出て、値動きが神経質になりやすい。上がりそうで上がりきらない、ジリジリした空気になりやすいわけです。
初心者は、この局面でどう構えればいい?
ここからはおやじの本音です。
まず、「今がチャンス!」みたいな煽りには乗らないこと。相場がどっちに行くかを言い切れる人は、本当はいません(言い切る人ほど要注意です)。大事なのは、今日見てきたような「なぜ動いているのか」を自分なりに理解しておくこと。理由が分かっていると、ニュースのたびに振り回されにくくなります。
そしてもう一つ。介入や地政学リスクが絡む局面は、値動きが急で荒くなりがちです。スプレッド(売値と買値の差)が一時的に広がったり、思った値段で約定しない”スベり”が起きたりもします。こういうときに無理な量(ロット)で勝負して、退場していった人を、おやじは現役時代に山ほど見てきました。だからこそ、「損切りラインを先に決めておく」「無理な枚数を持たない」。地味ですが、これが生き残るコツです。
これから見ておくとよいポイント
最後に、今後チェックするとよい”観察ポイント”を、断定せずに挙げておきます。
160円台で、政府・日銀の円買い介入があるかどうか ・次の日銀会合(2026年7月末予定)で、さらなる利上げ観測が出るか ・中東情勢が落ち着くか、原油価格がどう動くか
このあたりが動くと、ドル円の風向きも変わりやすいです。予想を当てにいくというより、「材料を知っておく」くらいの気持ちでOKです。
まとめ
今日のいちばん大事なところを、もう一度。
「利上げ=必ず円高」ではない ・実際の値動きは、「織り込み済みか」「金利差」「実需・地政学(原油など)」といった複数の事情で決まる ・そういう”理由”を読みにいくのが、ファンダメンタルズ分析という作業
ニュースの裏側が少しでも見えるようになれば、それだけで立派な一歩前進です。おやじと一緒に、あせらず・正直に、いきましょう。
※本記事は、投資判断の参考となる情報をやさしく解説することを目的としたもので、特定の取引を推奨・勧誘するものではありません。記載した金利・為替水準・日付などは執筆時点(2026年6月中旬)のもので、今後変動します。最新の情報は各公式(日本銀行・財務省など)でご確認ください。為替相場の先行きを保証するものではなく、相場見通しは変わり得ます。FX取引にはリスクがあり、損失が生じる可能性があります。投資は、ご自身の判断と責任において行ってください(投資は自己責任)。



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